5つの専門領域

Our 5 major areas of study

コミュニティ資源継承プログラムCommunity resource inheritance program

学部共通選択科目A

コミュニティ文化継承概論

本科目は、コミュニティにおける文化継承の実際を確認し、その意義と可能性を概観することを目的としています。コミュニティが共有している有形・無形の文化資源の内容(自然景観や自然資源、文化財、生業・産業、伝統的な暮らしや伝統芸能、儀礼・祭礼、コミュニティの記憶等)、継承の形態(伝統的な集団による受け継ぎ、学習グループ、口伝、エコミュージアムなど)を、社会システムや自然環境との関わりとともに考察します。また、新たな文化の創造・継承も視野に入れ、アートイベント、アートプロジェクトなどの事例を検討します。

コミュニティ情報継承概論

本科目は、コミュニティにおける情報継承という現象に関して、基礎的事項を幅広く学習することを目的としています。とりわけ、図書館やアーカイブなど、情報継承のために設置されている社会機関の歴史と理念、制度と役割に対して理解を深めます。また、そうした機関で取り扱われる情報内容の種類と特性、適用されている方法の意義と原理、活用されているメディアに焦点を合わせて検討します。さらに、情報継承の多様な事例を確認し、それぞれの取り組みを評価する際の視点を認識することをめざします。

コミュニティ文化資源創出論

本科目は、人口流動性の上昇や人間関係の希薄化を受け、地域社会における伝統文化・生活文化の継承が困難になってきている状況を踏まえた上で、地域住民の文化的活動によって生み出される有形・無形の資源に注目し、その生成・共有・発信のプロセスを取り上げ、コミュニティ形成の観点から、地域住民による文化資源の創出の意義を検討することを目的としています。また、関連する行政(教育・文化行政等)・施設(公民館・図書館・博物館等)・専門的職員(司書・学芸員等)の役割について考察します。

コミュニティ情報継承施設論

本科目は、図書館の機能、基本的要素、そして社会における意義や役割について理解するとともに、地域の資料・情報を継承し、活用することで地域に貢献する図書館のあり方について学習することを目的としています。とりわけ、図書館の歴史と現状、館種別図書館と利用者ニーズ、図書館職員の役割と資格、類縁機関との関係、今後の課題と展望に関して認識を深めることをめざします。また、図書館が争点となって首長のリコールや住民投票が起こっている事例や、不十分な図書館振興が弊害をもたらしている事例などを検討します。

コミュニティ文化継承施設論

地域社会での文化の継承に関わる施設について、その歴史・制度・現状を解説する。検討の対象は、公民館・図書館・博物館に代表される教育・文化施設を中心としますが、地域振興を目的とした施設(コミュニティ・センター等)や、文化活動に関わる商業施設(書店等)にも言及しながら、関連施設の広がりを理解することをめざします。その上で、それぞれの施設に応じた文化の継承方法の特徴を、職員や施設運営への住民参加等の論点に沿って検討します。

学部共通選択科目B

地域アーカイブ原論

地域における多様な資源を蓄積し、提供するための組織であるアーカイブに関する基礎を学びます。具体的には、アーカイブの成立と歴史、日本および国外におけるアーカイブの制度と事例、アーカイブで取り扱う情報資源の種類と処理方法、アーカイブの専門職であるアーキビストの役割と求められる知識・技術などを取り上げます。また、アーカイブの運営に関する理論と方法を視野に入れながら、実践的な記録管理の手法に対する理解を深めることをめざします。

コミュニティ情報資源概論

後世に継承し、また、同時代に伝播させる対象となる、コミュニティの情報資源に関して、その概要と種類、それぞれの種類の特質と処理方法について学びます。また、コミュニティにおける情報資源の取り扱いに関する先進的事例、図書館におけるコミュニティ情報資源の収集とコレクション形成の理論と実際について理解を深めます。さらに、情報資源を維持するときの理念としての「知的自由」、資料の生産・流通プロセスについて認識できるようになることをめざします。

コミュニティ文化資源概論

コミュニティ内の有形・無形の事象は、関連する情報を整理し、多様な視点で価値づけ、編集するというプロセスを経ることによって、地域文化や産業の振興、アイデンティティの形成等を促進する、コミュニティ固有の文化資源となることを学びます。とりわけ、関係する一連のプロセス、すなわち、文化資源の抽出、収集、編集・整理、保全・保存、管理に関して、基礎的能力を身につけることをめざします。

地域資料構築論

図書館の地域資料コレクションに焦点を合わせ、地域資料の種類と役割に対する理解を深めるとともに、それぞれの生産と流通の特性を認識し、コレクションの形成に関する基礎を学びます。その上で、特定の特定課題に焦点を合わせ、その課題に関係する地域資料の書誌(文献リスト)あるいは案内資料(パスファインダー)の作成の実際について、演習形式で理解を深めます。

地域実習科目

地域実習G1

地域実習G2を意識しつつ、地域の情報資源を継承する活動に関係する事象・事例に関して、文献・情報の渉猟を基本にした予備的な調査を行います。また、適宜、キャンパス近郊地域において関係機関の見学実習を行ったり、関係者をゲスト講師として招聘したりして、実践に対する理解を深めます。さらに、基本資料集をまとめる実習を集団的に進めます。
実習30時間
講義15時間

地域実習G2

地域実習G1で扱った、地域の情報資源を継承する活動に関係する事象・事例に関して、特定の地域においてさまざまな活動をしている諸機関・団体・個人に密着して、活動の理念や経緯、活動の内容と方法、地域にとっての役割や貢献等についての知見を、実践的に深めます。標準的には、事前指導、現地での40時間程度の実習活動、事後指導で構成します。
実習40時間
講義5時間

地域実習H1

地域実習H2を意識しつつ、地域の文化資源を継承する活動に関係する事象・事例に関して、文献・情報の渉猟を基本にした予備的な調査を行います。また、適宜、キャンパス近郊地域において関係機関の見学実習を行ったり、関係者をゲスト講師として招聘したりして、実践に対する理解を深めます。さらに、基本資料集をまとめる実習を集団的に進めます。
実習30時間
講義15時間

地域実習H2

地域実習H1で扱った、地域の文化資源を継承する活動に関係する事象・事例に関して、特定の地域においてさまざまな活動をしている諸機関・団体・個人に密着して、活動の理念や経緯、活動の内容と方法、地域にとっての役割や貢献等についての知見を、実践的に深めます。標準的には、事前指導、現地での40時間程度の実習活動、事後指導で構成します。
実習40時間
講義5時間

プログラム固有科目

コミュニティ情報資源検索論

コミュニティに関係する情報資源の検索と提供を行う、図書館の情報サービスを検討対象に据え、その原理を学ぶとともに、実際の技法に関して理解することをめざします。検索の対象とする情報資源は、コミュニティの地理・歴史資料、行政・立法資料、経済・産業資料、教育・福祉資料、文化・生活資料など、幅広く設定します。また、情報サービスの事例を紹介し、評価の視点を身につけます。

コミュニティ文化資源活用論

今日の高度情報化社会において、コミュニティの文化資源を、情報ツールの使用により、発信、共有し、活用するためのスキルは必要不可欠なものとなりつつあり、地域博物館がそのコミュニティの情報の集積拠点、ポータルサイト的役割を期待されることも少なくありません。本科目では、そうした認識に基づいて、文化資源の情報化の実際、ICT等の情報ツールの活用、情報管理と課題等の実際を検討しながら、関係する基礎的能力を養うことをめざします。

地域出版・情報流通論

地域の情報資源として重要な役割を果たす出版活動と、その成果である地域出版物(地域情報資源)の流通に関する基礎を学びます。とりわけ、全国規模で行われている出版活動や流通活動と対比させ、地域出版の意義を浮き彫りにします。また、地方新聞や地方放送局といった地域マスメディアの実状、地方出版社や個人出版(同人誌等の制作)、地方映画制作などの状況に関しても、幅広く取り扱います。さらに、主にウェブ上における地域情報の流通の様態についても目を向けます。

コミュニティ文化資源保存論

地域住民の文化的活動によって生み出される資源は、コミュニティ形成の基礎となります。本科目では、地域社会での文化資源の保存プロセスを解説し、地域文化の継承・発展を通じたコミュニティ形成のあり方を検討します。また、関連する施設(公民館・図書館・博物館等)や専門的職員(司書・学芸員等)の役割も検討の対象としつつ、そのプロセスへの地域住民の参加が有する意義を理解することをめざします。

デジタルアーカイブ論

デジタルアーカイブは、デジタル技術を用いた文化資源の保存であり、図書館や博物館、文書館、大学などの機関や組織に加え、個人や企業、各種団体にも取り組みが広がっており、まちづくりの観点からも注目が集まっています。本科目では、こうしたデジタル・アーカイブの意義を確認し、文化資料などのデジタル化に関する基本的な知識や技術について認識することを目的としています。また、長期保存における課題について学びます。さらに、デジタルアーカイブに関わる知的財産権や個人情報保護といった社会的な制度についても検討します。

地域アーカイブ構築論I

「地域アーカイブ原論」で学んだ知識に基づいて、アーカイブを構築するための技術と手法についての理解を深めます。本科目では、地域に散在している各種の文書(行政文書・公文書、私文書など)と映像資料(写真、画像、図像など)を対象にして、そうした資源の収集・記録・整理の実際を学びます。また、国内外の実践事例を紹介し、関係する技術と手法の多様性や発展可能性に対する認識を持てるようになることをめざします。

地域アーカイブ構築論Ⅱ

「地域アーカイブ原論」で学んだ知識に基づいて、アーカイブを構築するための技術と手法についての理解を深めます。本科目では、地域において未記録の状態になっている口伝情報の記録化に焦点を合わせ、資源の発掘と渉猟、記録メディアと記録方法などの実際を学びます。また、オーラルヒストリーに関する基礎知識を確認した上で、国内外の実践事例に対して幅広く目を向けることをめざします。

コミュニティ情報資源修復継承論

コミュニティ情報資源を後世に継承し、また、同時代に伝播させる際の課題の一つである、劣化と汚損・破損の修復に関する知識と技術を学ぶことを目的とします。具体的には、図書館を中心とする情報機関における劣化や汚損・破損の実態を認識した上で、情報資源の種類ごとに、それぞれに適した修復の手法に対して理解を深めます。また、劣化や汚損・破損の原因追及とそれに応じた防止対策など、実践されている方法についても取り扱います。

コミュニティ人間科学特論N

本特論は、地域における人びとの活動を活性化させるために必要となる、地域施設の整備に焦点を合わせます。とりわけ、利用者との関係で、充実すべき面と求められる配慮に関して検討します。また、教育施設、社会教育施設を中心に据えて、実例を紹介しながら議論を進めますが、広く文化施設・スポーツ施設などにも視野を広げ、例えば、図書館などの地域の諸活動の拠点としてシンボル的な意味を持つ施設のあり方も追究します。

コミュニティ人間科学特論P

本特論は、ライフヒストリーに焦点を合わせます。具体的には、地域文化・情報継承の実践として、自身や家族、地域の人々等、身近な生活の中にある諸問題を自覚的に捉え直すための基礎的知識と姿勢を身につけます。とりわけ、戦前の女性をめぐる状況(家制度、公娼制度、女工、炭坑労働など)、戦後の民主化に対する理解をした上で、現在のさまざまなライフヒストリーの世界史的考察を通して、現代女性をめぐる諸状況を考察します。

コミュニティ人間科学特論Q

本特論は、伝統文化と呼ばれるものを比較して捉えることに焦点を合わせます。具体的には、伝統文化の継承の現場に身を置く人々が、どのような伝統観を持ち、何を継承すべきと考えているかを明らかにすることをめざします。また、奄美、沖縄、宮古島などの南西諸島を始めとするさまざまな地域の伝統文化継承の取り組みを紹介しながら、現代において伝統文化を継承していくことの意義と、今後の課題について検討します。

コミュニティ人間科学特論R

本特論は、地域において展開している環境芸術に焦点を合わせます。具体的には、環境芸術の概念に対する理解を深めながら、日本において、近年、特定の地域を舞台とするアートプロジェクトが環境芸術の主流になり、地域環境を表現要素に取り入れ、鑑賞者や住民とのコミュニケーションを目的とする展開が見られることに着目して検討を行います。さらに、多様な作品と事例から、地域社会の文化資源の継承・伝達の手段としての環境芸術の意義を考察します。