5つの専門領域

Our 5 major areas of study

女性活動支援プログラムWomen's activity support program

学部共通選択科目A

女性活動支援原論

本科目では、「文化的・社会的に作られた性=ジェンダー」という視点から、主に女性差別を巡る問題や社会の仕組み・人々の意識等を捉え直す「女性学」という学問領域が成立した意義を尊重しながら、地域活動の担い手としての女性に対する支援方策を考えるための基礎知識を学びます。とりわけ、女性活動の支援に関して、さまざまな価値観をもつ他者を理解するために求められる、総合的なものの見方を獲得することをめざします。

女性教育制度論

本科目では、学校教育の領域における女性教育の制度的変遷について検討し、社会教育の領域においては、戦後の女性教育(婦人教育)の歴史、女性問題、女性教育施設の現状の観点から検討します。学校教育における女性教育の領域では男女共学の思想と実践、女性の高等教育機会の拡充、などについて「隠れたカリキュラム」の観点からも検討します。社会教育の領域では、地域婦人団体の活動と行政の支援、公民館での共同学習による婦人学級、国立婦人教育会館の設置とその地方自治体への影響、男女共同参画社会の実現のための施策の展開などについて取り扱います。

女性キャリア教育論

本科目では、男女を問わず、初等中等教育におけるキャリア教育の実態について紹介しながら、特に女性の就労状況の実態に即したキャリア教育についての問題について深めていきます。地域・企業等との連携の中でキャリア教育が展開されて来ているが、その担い手についての議論も重視します。女性の高学歴化に伴い学校教育では高等教育機関においてもキャリア教育が重視されますが、それが単なる就職支援の活動になってはいないかという観点から批判的に実態に迫ることとし、専修学校・専門学校の役割、大学のリカレント教育システムの実態と課題についてもふれていきます。

女性学習支援組織論

本科目は、女性がより深く関わる課題の解決のためには、学習が不可欠であるという発想を基盤にして、そのための学習を支援する組織のあり方を学びます。とりわけ、マタニティハラスメント、ワークライフバランス、介護等の具体的な問題を題材にして、理解を深めることをめざします。また、女性の学習活動を支援する組織として、地域婦人会、各種社会教育関係団体、ワーカーズコレクティブ、職業別女性団体、各種ボランティア団体、企業団体等を取り上げ、それらの組織の現状把握と今後の可能性について考察します。

家庭教育支援論

非制度的・非定型的で、私教育とも位置付けられる家庭教育は、各家庭の価値判断に委ねられたものではあるが、近年、子どもの育ちや家庭の教育力の低下、親の育児不安等が懸念され、家庭教育支援の必要性が指摘されています。本科目では、こうした背景に対する理解を深めながら、特に、社会性やコミュニケーション能力等、他者との接点を必要とする体験や学習の機会に関して学びます。また、家庭教育の特性を理解した上で、働く母親の増加等、変化し続けている家庭のあり方に沿った方策に関する認識を深めます。

学部共通選択科目B

女性の心理学的理解

本科目は、知覚、学習、記憶、発達といったトピックに関する心理学的の基礎知識を身につけた上で、女性に焦点を合わせて、各トピックに沿って理解することをめざします。また、心理学的な理解を行うことに伴う諸課題を検討します。さらに、心と密接な関わりのある、脳の構造・機能に関しても取り上げ、どのような脳の差が男女の認知的な機能の差に結びついているのかについて、実践例を数多く確認することを通して、学習を進めていきます。

ワークライフバランス論

ワークライフバランス(仕事と生活の調和)概念の生成・展開、国・地方自治体・企業などで取り組まれている施策を、先進国であるカナダとの比較をしつつ、若者・女性・男性・高齢者・障がい者・外国人などの視点から、それぞれが抱えている職業問題と関連づけて検討します。また、ワークライフコンフリクト(仕事と生活の衝突)を取り除くことの意義と必要性に関して学習します。さらに、ワークライフバランスを少子化問題や労働問題としてのみ捉えるのではなく、学習支援の側面から捉えることによって、地域での生活や学習活動の充実に関する理解を深めることをめざします。

地域と家族・子育て

本科目は、地域と家族・子育ての関係性を歴史的に辿りながら、現在の問題点と、その問題点を乗り越えていくための方策について検討することを目的としています。とりわけ、子どもが生まれることは、家族にとって大きな出来事であること、その変化は家族内のみならず、周囲との関係も変化すること、子どもが生まれることによって、地域との新たなつながりが生まれ、地域のさまざまな人々に見守られながら子どもは育ち、親もまた支えられる、といった状況を認識することを重視します。また、生まれ育った地域ではない場所で育児をすることが多い現代では、子どもの誕生後地域の中でどのようなつながりを持てばよいかという問題意識に基づく検討を行います。

地域活動とジェンダー

本科目は、アメリカ合衆国における主要な社会運動の成果と限界をジェンダーの視点から分析し、地域社会で差異を認めつつ連帯する可能性について理解を深めることをめざします。とりわけ、19世紀の奴隷制廃止運動(19世紀)、革新主義運動(20世紀初頭)、公民権運動(20世紀後半)と、それらから派生した社会運動を中心に据えて検討します。また、それぞれの社会運動の成果と限界を踏まえ、人種・階級・ジェンダー・セクシュアリティといったさまざまな要素が、いかに入り組んだ形で差別構造として形成されているかを学びます。その上で、アメリカだけでなく日本においても、差異を認めつつ連帯して差別構造を解消するための方策を検討します。

地域実習科目

地域実習C1

地域実習C2を意識しつつ、主として地域の施設における、女性の活動を支援することに関係する事象・事例に関して、文献・情報の渉猟を基本にした予備的な調査を行います。また、適宜、キャンパス近郊地域において関係機関の見学実習を行ったり、関係者をゲスト講師として招聘したりして、実践に対する理解を深めます。さらに、基本資料集をまとめる実習を集団的に進めていきます。
実習30時間
講義15時間

地域実習C2

地域実習C1で扱った、主として地域の施設における、女性の活動を支援することに関係する事象・事例に関して、特定の地域においてさまざまな活動をしている諸機関・団体・個人に密着して、活動の理念や経緯、活動の内容と方法、地域にとっての役割や貢献等についての知見を、実践的に深めます。標準的には、事前指導、現地での40時間程度の実習活動、事後指導で構成します。
実習40時間
講義5時間

地域実習D1

地域実習D2を意識しつつ、主として地域の団体における、女性の活動を支援することに関係する事象・事例に関して、文献・情報の渉猟を基本にした予備的な調査を行います。また、適宜、キャンパス近郊地域において関係機関の見学実習を行ったり、関係者をゲスト講師として招聘したりして、実践に対する理解を深めます。さらに、基本資料集をまとめる実習を集団的に進めていきます。
実習30時間
講義15時間

地域実習D2

地域実習D1で扱った、主として地域の団体における、女性の活動を支援することに関係する事象・事例に関して、特定の地域においてさまざまな活動をしている諸機関・団体・個人に密着して、活動の理念や経緯、活動の内容と方法、地域にとっての役割や貢献等についての知見を、実践的に深めます。標準的には、事前指導、現地での40時間程度の実習活動、事後指導で構成します。
実習40時間
講義5時間

プログラム固有科目

PTA活動論

戦後、急速に設置が広がったPTAは、学校の支援団体のようなイメージが強いが、代表的な社会教育関係団体の一つであり、当初の理念は保護者と教師が共に学び合い、その成果を子どもの育成に活かすというものであることから、学校・家庭・地域の連携で子育て支援の結節点にあると認識できます。本科目では、PTAの活動は、人々の社会活動全般への入口としても機能していることに注目し、PTAが担えるはずの役割や活動について考察します。また、歴史的経緯や具体的な活動等にもふれながら、学校と地域、家庭と地域の関係についての理解をすすめ、PTA活動のあり方を検討します。

女性社会活動論

本科目は、女性活動支援の背景的知識となる近現代の女性の活動がどのように展開されているかを理解することを目的としています。日本における女性の社会活動に関する文献や映像などさまざまな資料を読み解き、女性の生活や社会的変化の背景を理解した上で、「人間の試行錯誤=思想」を軸に検討します。とりわけ、性差別、障害者と優生思想、貧富、植民地と他民族支配など、重層的な支配と差別の実態、格差の問題などに焦点を合わせて検討します。また、欧米やアジアなどの諸問題も視野に入れ、国際社会における現代日本女性の置かれている位相を考察します。

生活者と法律

本科目は、人間がコミュニティにおいて生活者として生きていく上で問題となってくる法律に焦点を合わせ、生活者として生きていくための法律知識を身につけ、法律に基づいて考える姿勢、すなわち、「リーガルマインド」を涵養することを目標とします。具体的には、法律の意義・役割、六法(憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法)、裁判所の仕組み、事故法・不法行為法、労働法、契約法・消費者法、家族法と結婚・離婚・介護・相続、情報法・ネットにおける法律関係等を取り上げます。

キリスト教と女性

本科目は、キリスト教と女性に、焦点を合わせます。旧約聖書における「相互補完的」男女観からの変遷を女預言者・イスラエル史における女性の役割、さらに新約聖書におけるイエスをめぐる女性達、初代教会における女性の役割などに対する理解を深めます。また、キリスト教学校創立及びハンセン病者「救済」事業に取り組んだ、スクーンメ―カ―、スプロールズ、リデル、ライト、コンウォール・リ―などの「女性宣教師」の生涯と働きを検証し、現代を生きる私たちに何を遺したかを考察します。

女性と社会運動

本科目は、近現代日本における女性の社会運動の歴史を、記録資料に即して考えることを目的としています。日本近代の女性の社会運動は、清水紫琴など明治期の自由民権運動に始まり、大正期の『青鞜』同人たちの身体や生活を巡る諸言説につながり、太平洋戦争期の戦争協力を経て、戦後の母親運動、平和運動、ウーマンリブ運動などへと引き継がれることから、それらに関する歴史を追いながら、それぞれの事情・背景などを解説します。

女性と政治参加

本科目は、女性の政治参加という問題を、時間的にも空間的にも射程を広げて捉え、その道のりや実態と理論的な課題について認識することを目的とします。世界各国における女性の政治参加について比較し、日本の位置づけを確認した上で、女性が政治に参加するようになるまでの歴史的な道のりを確認し、世界各国において女性参政権が確立するまでの経緯を概説します。また、「公/私」区分とジェンダー、「政治」の多元性といったトピックスに関して検討します。

女性と労働

本科目は女性と労働に焦点を合わせ、少子高齢化が進行して、労働力人口が減少する中、日本が今後も経済成長を遂げていくためには、労働者としての女性にどのような役割が求められているのかを検討します。また、日本社会を特徴づける「日本的雇用慣行」の下で、性別役割分業、長時間労働、非正規雇用、貧困といったさまざまな経済社会問題が醸成されていったことを踏まえ、フランスやオランダといったヨーロッパ地域との比較を試みながら、日本社会における、男女双方にとって望ましい生活や労働のあり方について考察します。

女性と記録・表現

本科目は、種々の資料に蓄積されている膨大な人類の知的遺産のうち、それを美的に集約化している記録・表現活動の中に、ダイナミック歴史的経緯とその実際的な有意性が存在することを学びます。また、最も静態的と考えられがちな精神活動の充溢こそが、歴史や地域社会の固有性を、それまでにない形で創り出そうとする力の淵源であったことを、女性という視座に立ちながら、記録や表現の解読、歴史的背景の理解などをもとに学習することをめざします。

コミュニティ人間科学特論E

本特論は、ヨーロッパの近現代史を対象として、女性がいかに生活の場や社会の中で自らの役割を見出し、生き方の可能性の幅を広げていったのかを理解することを目標とします。女性史に関わる方法論に関して理解し、歴史叙述において相対的に女性の存在が明らかにされにくいことを踏まえた上で、女性に焦点を合わせて歴史を捉えることの意義と現代の女性の生き方を歴史的に広い視野から相対化することの意義を確認します。また、福祉や慈善活動、生殖、労働、フェミニズム思想の成立、女性の高等教育の発展、性的自己決定権の確立などに関する事例を検討します。

コミュニティ人間科学特論F

本特論は、人種・エスニシティ・階級・セクシュアリティを異にする女性のアメリカでの経験を辿ることを通して、アメリカ史の大きな流れを把握し、女性の視点からアメリカの歴史を学ぶ意義を考えることを目的とします。まず、女性史・ジェンダー史という学問領域が、アメリカ史研究の中で発達した背景を確認する。その上で、植民地建設・奴隷制の確立・アメリカ革命・南北戦争・革新主義運動・世界大戦・公民権運動といったアメリカ史の主要な出来事を、女性やマイノリティの視点から辿ります。

コミュニティ人間科学特論G

本特論は、現代社会に生きる女性が生活圏において直面している諸課題を、近現代日本の思想と文学を通して理解することを目的としています。女性の身体、ライフコース選択、妊娠・出産・堕胎、母娘関係、美醜、国家・社会・民族と女性、平和と女性などのテーマを取り上げ、現代女性を取り巻く諸問題に対して考察します。また、与謝野晶子、倉橋由美子、小川洋子、笙野頼子などに加えて、アーシュラ・ル・グイン、マーガレット・アトウッドなどに焦点を合わせて、女性とその表現に関して検討を加えます。

コミュニティ人間科学特論H

本特論は、ルポルタージュとジェンダーに焦点を合わせます。従来、「地域」が「中心」と対置され、サブシステムとして位置づけられ、また、従属的であったがために、その存在を「影」とされてきたことなどに着目し、対象をテクスト化、映像化したルポルタージュを教材として、検討します。具体的には、『苦海浄土』(石牟礼道子)などを読み解き、中心性を相対化するあり方を身につけられるようにすることをめざします。