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Vol.7

御五神島無人島体験事業
NPO法人えひめ子どもチャレンジ支援機構 事務局長 仙波 英徳氏
愛媛県教育委員会管理部社会教育課 中島 弘二氏

中島 弘二氏(愛媛県教育委員会管理部社会教育課)

中島 弘二氏(愛媛県教育委員会管理部社会教育課)

御五神島(おいつかみじま)無人島体験事業は1988年に始まり、今年で32回目を迎えました。御五神島は愛媛県の宇和海にあり、本土から渡船で約40分かけて行きます。島に渡った後、子どもたちはタープやテントを張って、生活を始めます。食事は採ってきたものや与えられた食材を使って自分たちで作ります。シュノーケリングや魚釣りをして楽しんだり、沈む夕日を眺めながら夕食を食べたり、キャンプファイヤーをしたりして島の豊かな自然を満喫しますが、快適とは程遠く、電気・ガス・水道のない環境で一週間生活をします。
御五神島は、生活するには過酷な場所ですが、そこで一週間過ごすと変わっていきます。たっぷりある時間を仲間と一緒に過ごし、数多くの苦難を協力しながら乗り越えていくからこそ得られるものがあります。最初に集まったときには不安気な顔つきだった子どもたちは、閉会式のときには別人のようにたくましく、しっかりとした顔つきになっています。

事前準備は結構大変です。特に指導者やスタッフの手配に苦労します。毎年、県教育委員会の義務教育課や教育事務所と連携・協力を図りながら、各学校に先生の派遣を依頼しています。他にも愛媛大学とも連携し、補佐役として教育学部の学生や、救護のサポート役として医学部看護学科の学生にも来てもらいます。また、地元の病院には現役の看護師の派遣や救護器具の貸出等、長年にわたり本事業を支えていただいています。
事業を円滑に実施するためには、テントサイトの草刈りや、資材の搬入場所の補修など、環境整備も必要です。事業期間中には子どもたちの寝ているテントサイトにイノシシが近づかないように、不寝番を配置して毎晩見張ります。夜中に急患が出た時には、渡船業者に対応していただきます。これらの環境整備や安全対策には、地元の企業、かつての指導者OB・OG、そしてボランティアの方々の協力が欠かせません。
この事業は、子どもたちに御五神島で仲間とともに一週間過ごすことでしか得られない貴重な体験の機会を提供する素晴らしい事業であると、私たちは自負しており、今後も、一人でも多くの子どもたちに無人島生活を体験させてまいりたいと考えています。

仙波 英徳氏
(NPO法人えひめ子どもチャレンジ支援機構 事務局長)

仙波 英徳氏(NPO法人えひめ子どもチャレンジ支援機構 事務局長)

事業の内容は、なかなかハードルの高い話だったのではないでしょうか。ライフラインのガスや水道がない生活の中で、みんなが苦労をします。その苦労は、仲間がいるから乗り越えることができ、初めて本事業が成ると思います。
その意味では協働といった言葉がありますが、今は一つの団体で完結することは、非常に難しいです。いろいろな組織や団体、個人が関係をつくって、その中で目的を共有しながら活動をしていくスキルが求められます。
話にあった官民の協働は、実態はなかなか難しいです。官も民もお互いのいいところと悪いところの相互理解がよくできていません。愛媛県でも、無人島体験事業では官民が上手くスクラムを組めています。実習では官と民が目的を共有しながら活動していく協働のスキルを学んでもらえればと考えています。

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