コラム

Columns

Vol.6

美濃加茂市民ミュージアムの取り組み
美濃加茂市民ミュージアム 館長
可児 光生氏

市民ミュージアムができたのは、2000年の10月です。地域総合博物館で、いろいろなジャンルが関わっています。具体的には、考古学や歴史、民俗、美術、博物館学で、その担当をする学芸員が5名います。毎年の年間入館者は、9万人ほどです。
当館の考え方には、四つあります。一つ目は、自然との共存です。二つ目は、学校と連携をしようということです。三つ目は市民の皆さんに参画をしてほしいということです。最後が、交流と地域です。
子どもとの関わりについては、昨年の例ですが、年間9,400人の子どもたちが学習で訪れています。美濃加茂市では、年間の授業のカリキュラムに位置づけて活動をすることが、一つの特色です。博物館には標本や発掘をした資料がいろいろとありますが、それだけではなく、実際に子どもたちの身近の地域にあるものを資源として、教材として使おうとしています。
6年間の活動をすると、その子どもたちにアンケートを採ります。子どもたちが6年間の活動を通して感じたことや、子どもたちが博物館を利用した後にどうしたのかといった行動の広がりを把握するために行っています。子どもたちの声を聞くと、学校の勉強とは違った形で考えることができているようです。最近では、シビックプライドといわれる言葉が使われることがあります。博物館での活動を通して、住んでいる美濃加茂の地域への誇りが育っていくといいと思います。

市民参画と、交流と地域について話をします。ボランティアは、111名の登録があり、6個の分野があります。学習支援や展示、生活体験、アート、伝承料理、イベントです。また、ミュージアムには、各市民活動の団体があります。伝承料理の会、美濃加茂市出身の坪内逍遥に関する朗読団体である声のドラマの会、きそがわ日和というアート系のNPO法人などの団体が一緒になって、ミュージアムの活動を進めています。
他にもいろいろと市民の方に関わってもらって、一緒になって活動を進めています。たとえば、市民の皆さんによる史跡現地巡りをしています。何気なく通り過ぎてしまうようなものも、実は地域の人たちが知っていることは、いっぱいあります。美術の領域では、みのかもAnnualというものを実施しています。毎年、アート系の催し物として、森の中を使ってのインスタレーションをしています。
地域の資源を生かすとの意味では、展覧会に合わせて、ミュージアムのカフェで、スイーツを考えてもらいました。ジオ菓子といわれるものを作って、地域の資源を少しでも多くの人に楽しんでもらう企画も進めました。

このように、多くの市民の皆さんに関わってもらっていて、多様なミュージアムの活動になっています。何といっても地域資源の発掘の担い手は市民の皆さんですし、それが市民ミュージアムとしても大きな力になっています。市民の皆さんには、自分たちも何か関われるのだ、何かをつくり上げてもいいのだという知的な空間として、ミュージアムを使ってもらいたいです。
私は、身近な所にある資料や資源を通して、地域の良さが分かってくる場所にミュージアムはなればと考えています。ミュージアムは、関わってくる人々や、そこにある資源を生かして、地域の文化をつないでいきます。つなぐだけではなく、つくっていくハブのような存在であるといいと思っています。
実習では、ミュージアムを中心とした地域の生かし方を、美濃加茂で体感してもらえれば、と考えています。具体的には、子供たちの学びの見守り、地域にある大正初期の建物を活用したワークショップなどのサポート、ミュージアムにあるカフェのメニューや企画について、何らかの関わりを持ってもらうことを想定しています。

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